2021.06.02
七宝が剥がれてきてぼろぼろです。
前枠の七宝が剥がれてきて、テンプルには緑色の腐食が出てきています。チタンフレームは腐食しないのですが、合金のフレームは長年使用すると生地が腐食し弱ってきます。このフレームは全体にメッキをし直し、新しく七宝を付け直すことにしました。これから、どうやって修理をしているのかしら?と疑問に思う方のために、この修理の工程を順に沿ってお伝えします。
全体のメッキを剥がす。
先セル等のパーツを外し、全体のメッキと七宝の剥がしをしました。腐食しているテンプルの内側は生地が傷んでしまっておりますので、ボコボコになってしまいます。出来るだけきれいに研磨で仕上げていますが、これで精いっぱいです。
メッキを施す。
剥がしをして、研磨をした後は、メッキをします。金色のメッキをしました。メッキをすることにより、綺麗な金色が甦りました。腐食の部分もメッキにより保護されております。
前枠前面に七宝を施します。
フレームの前面に黒色の七宝を施しました。七宝は職人の高度な技術が必要となります。また、修理フレームは新品のフレームと違い、一本一本色合わせが必要となりますし、新品にはなかった歪みがあったりして、特に難しいとされています。レンズをはめ込んだ時をイメージして丁寧に仕上げていきます。先セルが古く使えなくなってしまっておりましたので、色は変わりましたが、フレームに合う黒色の先セルをさしました。
フレームの強度を上げるためにそえ木します①
セル生地が割れてしまった
チタンロー付➁ブローチ折れ
チタンロー付①丁番輪切れ